夢は破れ、夢は叶う(「ビューティービジネス」誌より)

夢は破れ、夢は叶う 
     まあくまさこ
今、インターネットで一番の話題は、一般人47歳女性の熱唱シーンだ。
 有名な全米オーディション番組「アメリカン・アイドル」の英国版に「ブリテンズ・ゴット・タレント2009」というTV番組がある。その番組に先日(4月11日オンエアー)出演したスーザン・ボイルさんが話題の主だ。 
早速まあくもインターネットで検索し、スーザンさんの“奇跡の歌声”を聴いた。曲目は、ミュージカル「レ・ミゼラブル」の「夢やぶれて」。確かに素晴らしい歌唱だった。が、感動の元原は、スーザンさんの歌声以上に、そのビジュアル的ギャップであった。
一見、でっぷりおじさんが、ダサいワンピを着て、むりくり女装したような風貌。47歳の年齢以上に老けて見えるし。
最初スーザンさんが登場した時、3人のスタイリッシュ審査員は、「何でアンタが此処に出て来るのよ」的態度だった。それは、大勢の観客も一緒で、スーザンさんが一言しゃべるたびに、バカにしたような爆笑が渦まいた。
が、歌のイントロが始まり、彼女の第一声聴いて、全ての人々の態度は一変した。賞賛の歓声と拍手。審査員の一人、スーパーモデル風やり手美女の目に、瞬く間にうるうる感動の涙が。
まあくも聴いていて、その拍手と歓声がうるさく思うほど、もっとちゃんとその歌声聴きたい、といらいらするほど、それは見事な「夢やぶれて」だった。
スーザンさんは、スコットランドの小さな町で教会のボランティアなどをして暮らしている。独身(これは別に驚くことじゃない)で、これまでキスも1度もしたことがない(これは驚く!)、という清純乙女。っていうか、本人の意思とかかわりなしに清純人生送ってきた、って感じだ。今まで大勢の人の前で歌った、なんてことも、勿論一度もない。
今やスーザンさんの元に、テレビ番組出演やマスコミ取材のオファーがひっきりなし、だとか。
スーザンさんの人生は47歳から始まったのだ。ホント人生って面白い。

まあくは、最近友人の吉川晃司君に誘われて真面目に乗馬を始めた。乗馬歴だけは長いまあくだが、これまで40年で100鞍は乗ってるか、くらいのていたらくだった。
きっかけは去年の夏、アメリカのオレゴン州ユージーンという田舎町に、2週間滞在したことだ。
目的は長年の友人Kと会うため。Kは、15年前まで東京でバリバリ仕事してた、このエッセイでも「美人の友人」で度々登場してた、まあくの自慢の友達だ。まだ幼い二人の子供とユージーンに住んで5年になる。そのKに会うためだけの目的で行ったユージーンだったが、Kはまあくにすこぶる素敵な乗馬友達を紹介してくれた。
中国人の父と日本人の母を持ち旦那さまがアメリカ人、というインテリ美人奥様、クエさんだ。クエに紹介された乗馬クラブのオーナー、カトリーヌも素晴らしい乗馬の先生で、ほぼ毎日クエさんの車で乗馬に通った。
クエさんの「人間には2種類ある、それは馬に乗る人と、乗らない人」と言う馬哲学も、クエさんの以前の仕事のキャリアの話しも、愛読書の話しも面白い。クエさんの東京の実家が、まあくが以前ずっと住んでた代官山、というのも楽しい偶然だった。

東京に戻って、丁度、NHKの大河ドラマ「天地人」で織田信長役を演ることになって乗馬の特訓を始めたという吉川くんと、よく飲み屋で馬の話しをした。
そして今年3月、吉川くんが信長役での乗馬シーンを無事終えた後も、時間を見つけては通ってる、という八ヶ岳の乗馬クラブに連れてってもらった。
ユージーンでの、鞍の装着から放牧まで、の乗馬体験以後、自分の一生の趣味は乗馬ではないか、とぼんやり思っていたまあくは、八ヶ岳で確信した。やっぱり、まあくの夢は自由に馬を操れることだ。馬と一体になって野を駆けることだ。これまで海外では、草原も山道も海岸も馬で駆けた。だがそれはただがむしゃらに奔ってただけだ。
今回は本当に基礎から習った。常歩(なみあし)速歩(はやあし)駈歩(かけあし)。図形運動なども。この1ヶ月半で、20鞍以上乗った。
ちなみに乗馬では、1鞍(30分)の単位でレッスンする。ビジターで、個人レッスンで先生についてもらうと、1鞍大体1万円くらい。ちょいと高い感じもするが、ゴルフと同じくらいだろう。それに全身運動だし、太ももはすっきり締まるし、ヘタなダイエットに大枚かけること思えば、全然安い。最初は2鞍も乗るとへとへとだし。
次女もハマって、今では次女がお気に入りの馬もいる。「暴れん坊将軍」に松平健さんとオープニングで出てた白馬、ホワイトダンサーだ。まあくと次女は八ヶ岳に1回行くと、2日間で大体5〜6鞍乗ってる。
ここ何年も、たまーに馬に乗ってはぼんやり考えてたまあくの夢が、この調子で八ヶ岳へ通えば、ようやっと今年実現するのだ。「ダンサーを自分だけの馬にしたいな」などとのたまう次女と、確かに自分の持ち馬っていいね、と夢は広がる。
思えば、Kに会うためだけにユージーンくんだりまで行ったのは、自分自身が何かから逃げたかった、という状況もあったからだろう。あの時を思えば今の自分は、また新しい作品を創りたい、あれも書きたい、これも書きたい、というまあくに戻った。何と言っても仕事と同じくらいオフが嬉しい。きっかけは、ユージーンでの出会いかもしれない。
クエさん、カトリーヌ。クエさんのお友達”ユージーンの妻たち”あやこさん、ゆきちゃん。そして、懲りずに文句ひとつ言わず、毎日まあくに付き合ってくれた最高の馬、ミッシー。
それを思えば、色んな事情が重なりKとはゆっくり話すことも出来なかったが、結局Kには感謝だ。

吉川くんを特訓して、まあくも教えを受けてる八ヶ岳のO先生は、なんと25年ほど前、ウエスタンをクエさんに習った、のだそうだ。これも凄い偶然だ。
O先生は、今年の1月に離婚し、新しい乗馬クラブを創った。とても素敵な先生だ。ビジュアルも、その生き方も。潔いのだ。それが一番だ。そのほうが人生かっこいい。何だかんだ自分に言い訳して、結局潔く生きられない人が世の中にはたくさんいる。そんな人たちは「世の中は何て美しいのか、人生とはなんて甘美なものか」(これは瀬戸内寂聴さんが”釈迦”で書いた、釈迦の最後の言葉)ってこと、きっと解らないで人生終えるのだろう。
夢が破れて泣き腫らしても、次の夢を掴めばいい。夢が破れることもなく、叶うこともなく、夢を取り繕うのだけはごめんだ。
クエさんが、0先生は昔からかっこよかった、馬の技術も生き方も。ってメールで書いていた。今でも馬でオレゴンの広い大地を駆ける、そんな人生を生きているクエさんもまたかっこいい。

スコットランドのスーザンさんも47歳で夢が叶った。
世界のどこかで、今日も夢が破れ、夢が叶って行く。


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