「じゃじゃ馬ならし」「まさかのCHANGE?!」
近未来ものの次は、翌週12日月曜日、時を遡りシェイクスピア「じゃじゃ馬ならし」(銀座博品館)。こちらも久々お邪魔したスタジオ・ライフ版。以前観た「夏の夜の夢」と同じ音楽劇設定。美術も白い箱積み上げ装置で、女子役も全員暴れまわりやすい白いスニーカーで揃え、とこれまた「夏の〜」と同じイメージで括っている。そんなアイデア生かした、皆さん熱演の舞台。
ただ、「夏の〜」の時もそうだったが、(シリアスな「ロミオとジュリエット」の時も)シェイクスピアはやはりセリフ劇だから、何を言ってるかわからない、が続くと、ちょい辛い。それに、ライフの演出家さんは(「白夜行」のときも「アドルフ〜」の時も)ほぼ演出的カットなしに、“全てを言い尽くす”という律儀な方だから、いつも3時間に及ぶ舞台となる。長ければ長いほど、飛ばすセリフ(それでもしゃべっている時間はけっこうかかる)を聞くのがしんどくなる。
達者な役者さんもいるが、基本AKB48みたくファンが育てる、の元祖みたいな劇団だから、「皆さんよく頑張りました!」の微笑ましい舞台、でよしとしましょう。
ンにしても、何だかんだ言ってまあくもライフけっこう観てるじゃん(笑)
「じゃじゃ馬ならし」プログラムより
7月25日(日)まで
翌日の13日の火曜日は、元劇団四季の達者な女優さん、元宝塚トップスターの華やかな女優さん、実力派のパフォーマー、など、多彩な顔ぶれが揃った「まさかのCHANGE」(日比谷シアタークリエ)に。
ちょい前に鳴り物入り来日公演で観た「ドリームガールス」(渋谷オーチャードホール)が、“感動0”だったもんで、これまた久々日本の“オリジナルミュージカル”に食指が動いたのだ。
それに、今回と同じ作・演出・振り付け・出演の玉野和紀さんで以前観たミスター・ボージャングルのステージが、なかなかの出来栄えだったのを覚えている。
男子と女子の心が、何だかのアクシデントで入れ替わる、という設定は古くは「転校生」などでよくご存知のモチーフだ。これって性別変わることで、男は女を、女は男を、違う性を理解し尊重する、という大きな人権尊重のテーマでもある。だから入れ替わる人間の個性のギャップが大きいほど面白い。舞台ならよけいだ。男っぽい女と女っぽい男の心が入れ替わっても、演技的にも変わりめ作るの難しい。
格闘家の男と、日本舞踊の家元のお嬢様の入れ替わり、くらいのギャップがあったほうが面白い。お杉さんとピーコさんの心が入れ替わっても、どう演じればいいのか(あれ?それって面白いかも)
キャプション見て、大混乱大爆笑コメディーになるはず、とこちらがかってに期待しすぎちゃった感もあるが、笑いは爆笑手前。ストーリーも、もうちょっとリアリティーと深みがあれば、きっと大爆笑までいって、きっと、感動、にもたどりつけたのではないか。
それにしても今回再々演というから凄い。好評だからこそ、の再々演が実現出来るのだから。実際チケットは完売続きのようだ。まあ達者な玉野先生のことだから、プログラムにも書いてあったとうり、皆さんが楽しめる「大衆演劇」を、ぜひ創りあげてってください。
特筆すべきは、ハンパない大和悠河さんのスタイルの良さ。華、オーラだ。歌も踊りもお芝居も、決して上手いとかではないけど、なぜか彼女ばかりを追いかけて見てしまう。これはスターさんのスターさんにしか持ち得ない大和さんのライトスタッフ(資質)に違いない。
- 2010.07.20 Tuesday
- etc
- 12:31
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- by markmasako