まあくのカンゲキノートVol.24(雑誌「舞Land」より)
「あったかファミリーのブリスベン」
前回メルボルンのカンゲキに引き続き、今回はブリスベンに移動してのカンゲキ。これは、もう人との触れ合いに尽きる。
元々今回のオーストラリア行きの最大の目的は、幾つかの宿題をオーストラリアの壮大な景色の中でやっつける、ことと、留学中の次女がお世話になった3つのファミリーにお礼に伺う、というものだった。
にも関わらず、ブリスベン空港に着いたとたん、お出迎えいただいたのが、とおるさん、アリーナさんご夫妻。早速お二人の車で、美味しいワイナリーや、エレガントな高級リゾート地、果てはゴールドコーストまでご案内いただき、お礼どころか、朝早くから夜遅くまで、またぞろ親子でお世話かけちゃったって感じで、申し訳なくもカンゲキ。
彼らには、まあくの友人からの紹介だけで、全く見ず知らずの次女と、次女のボーイフレンドまで面倒をみていただいた。若いアリ−ナさんと次女が親しく話してる様子は姉妹みたいで、ほんとに次女を可愛がってくださった様子が手にとるようにわかった。とおるさんは某有名百貨店のエリートからIT企業に転職してオーストラリア暮らしを選んだ自然派だ。その生き方にもカンゲキ。
次の日は、ブリスべンでの次女のホームステイ先だった、ダニエル一家を訪ねた。シティからバスで20分ほどの閑静な住宅地にある広々敷地の一軒屋。
余談だが、メルボルンもここブリスベンも交通料金システムが甘いのか厳しいのか、意味わからない。メルはトラムが縦横に行き来し、一番の便利乗り物だが、このチケット、乗るも降りるもチェックは、ない。ただ、時折、まさに突然、制服チェックマンが3〜4人でどっどっとガサ入れのごとく乗り込んできて、全員のチケットを検査する。これで、チケットがなければ、300ドルだかの罰金を支払うことになる。ただ、制服姿が派手に乗り込んでくると同時に、さっさと降りることも出来なくはない(やっちゃダメだけど)。こちらブリスベンのバスも電車も、シィーキャットと呼ばれる水上バスも同様。
でもきっちり、トラムでもこちらの電車でもチェックマンと出合ったまあくとしては、切符は絶対正直に買い求めるようおすすめします。
で、ダニエル(ダン)っちだが、次女に飛びついて迎えてくれたのは、ダンの奥様のカルメンと8歳のジョー2歳のエディーの兄弟。仕事終えて帰って来たダン(キアヌ・リーブス似のいい男、29歳、って、マジ!!)を待って、ディナーへ。カルメンさんの手によってすっかり完璧に支度されてた心ずくし美味しい料理にカンゲキ。次女曰く「毎日こういうの作ってもらってたよ」成る程、特別じゃないのが、よけい嬉しい。
次女とカルメンはやはり姉妹のように嬉しそうに微に入り細に入りの話ぶり。グランパとグランマも登場して、本当に次女がここで家族の一員のように暮らしていたことを実感する。お皿片したり、コーヒー入れたり、まあくの拙い会話を一生懸命聞いてくれたり、ハンサムな上にマメで優しいダンにも超カンゲキ。
最後の訪問は、ファームステイ(ビザ延長のためイチゴ畑で3ヶ月労働)先、シティから電車で1時間、カブ―チャのゴードンとスーサン60歳熟年ご夫妻だ。広々とした自然の中、別荘風平屋建て超広々邸宅は、これまで以上にゆっくりと時間が流れている。
ゴードンに独立した4人の子供たちの写真を見せてもらってる間に、スーサンが手早く数々の手料理を並べて、何気に次女が手伝う、これまたいつもと代わらぬ様子に、カンゲキ。ホームステイファミリーとして初めて受け入れたのが次女で、それまで実際に日本人を見たこともなかった、という話は、二人が次女を通して日本という国をイメージしたということでもあった。オーストラリアには多くの日本の若者がワーホリ(就労観光ビザ)で滞在しているが、ひとりひとりが、日本のメタファーとなっているのだろう。
デザートの手作りケーキに驚嘆した次女に、スーサンが取り出したのはハイスクール時代に書いたという、そのケーキのレシピ。年代感じるノートの内容をスーサンが説明して、それをせっせと次女が書き写している。その様子を隣でゴードンがニコニコと見ている。
ダンとカルメンも、とおるさんとアリーナもそう、自然の中で、たっぷりな時間を夫婦で共有している彼らの姿は、本当に羨ましいものだった。心底「本当の豊かさ」というものを実感した。これまでの“娘との時間”についても反省するものがあった。
次女との「さよなら」のハグに、みんなみんな泣いてくれていた。
心から、皆さん、本当に本当に、ありがとう。
- 2008.01.21 Monday
- カンゲキノート(舞ランド誌連載より)
- 17:40
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