まあくのカンゲキノートVol.23(雑誌「舞Land」より)

「コール・ジャーニー」 

   ここでまあくは凍え死ぬかも…、そんな考えがほんの少し頭を掠めた。好きなペンギン見ながらなら、それも本望か。  時は先月11月も終わり頃、夏真っ盛りのオーストラリア行くのに毛皮着てくわけもなく、成田までの寒さを我慢して、できるだけ薄着で旅立ってきたのだ。4回めのオーストラリアだが、メルボルンは初めて。夜はシティといえども冷えまくりで、ツアーで来たここフィリップ島は、当日の悪天候もあって、予想以上、半端な寒さじゃない。それに目的の野生ペンギンたちは、日没後(8時過ぎ)に海から上がってくる。そこんとこ吹きすさぶ風と雨の中、ひたすら震えつつ荒れる海に現れるペンギンの群を待つ。ああ、なんてシュールなんだろう。 
 道中立ち寄った触れ合いパークで、触れ合ったウオンバット。暖かそうなふこふこお腹を懐かしく思い出しながら、そろそろ限界か、の時、とうとう小さなペンギンたちの姿が波間に見えた。4羽、5羽、7羽、と、次々にけなげにひやひやと泳ぎつつ、波に煽られ転びまくりながら、やっとこさの上陸。ぱたぱたとこちらに向かって歩いて来る。本当に小さい。体長20〜30センチくらい。体重1キログラム、っていうから、かなり小さい。以前はフェアリー(妖精)ペンギンって呼んでたが、フェアリーって言葉がホモセクシャルの差別用語で使われるので、今はリトルペンギンってのが正式名称だ。
 に、しても、お土産屋で売ってる、まあくも速攻買った毛布もあるが、この寒さはオーストラリア観光局、もっとアテンションすべきだ。「夏でも暖かい格好で」くらいの紹介では弱い。まあくの前列でペンギンを待ってた赤ちゃん連れは、赤ちゃんが凍死するの恐れて、それでも無念そうに何度も海を振り返りながら、ペンギンが来る前に耐え切れず帰ってったぞ。かわいそうだ。もっと防寒してたら、感動的なペンギンの姿を見られたのに。 
 それにしてもやっぱ野生の姿は魅力的だ。動物園で管理されている動物たちと決定的に違う、生きているイコール戦っている姿、に感動するのだ。だから自然の中の動物たちをオーストラリアやアフリカにまでも見に行きたくなるのだろう。カンゲキで地上に上がって巣に帰るペンギンを追ってたら、きっちり人間が作り上げたコースになっていたり、ペンギン観光商魂もそこここに。ペンギン保護と人間の共存、と言えなくもないが。 
 ともあれ、オーストラリアのカンゲキは続く。翌々日はグレートオーシャンロード。その最大の見どころのシップレットコースト。この大自然の絶景は、まさに大いなる地球創造の歴史までも垣間見せてくれる。「12人の使徒」と呼ばれる海に屹立する巨いなる奇岩。この景勝をヘリコプターに乗って空から眺めた。ひとつひとつ12個の奇岩を数える、余裕などあったもんじゃない。ヘリのコーナリングはバイク同様かなり斜めになる。まあくの肉球は緊張した猫のごとく汗をかき、前のオージー操縦士の背もたれについた手すりを握り締める。しかし、6分のフライト60ドル、びびってばかりはいられない、しっかと目を見開いて、眼下に拡がる美しすぎるブルーの海と不思議な岩を追う。ああ、これがオーストラリア大陸だ。 
 他にもワイナリーを巡るヤラバレーツアーなど、メルボルンではいくつかのツアーに参加したが、今回、一番のカンゲキはこのツアーメンバーかもしれない。他州からやってきたオージー、日系オージー、フレンチ、アメリカン、スパニッシュ、チャイニーズ、コーリヤン、タイワニーズ、日本人はまあくたち3人だけで、総勢20人〜25人くらいか。1台の小型バスに世界の人種が集う。ここで友達になった若いこたちがメールアドレスノートまわしたり、帰りにそれぞれのホテルの前で降りる時、「バイバイ」「サイチェン」「アディオス」などの声もみんなとても名残惜しそう。独り旅の女の子には「気をつけて!」のニュアンスが重なる。 
 ドライバーとガイドを独りで兼ね備えるツアーガイドはもちオージーで、秀逸は、グレートオーシャンロードガイドのジェフ。集合時間前にきっちり現場に来ての待機(オージー気質としては貴重)といい、長い間の運転、丁寧なガイド、どちらも完璧にこなしていた、そして親切。他のガイドには全くなかった気遣いもありでカンゲキ。このツアーの会社名は「GO WESTツアー」、皆さんもぜひジェフを指名しよう。 
 メルボルンからエアーで2時間、さすがに暑いブリスベンへ移動。このブリスベンのカンゲキは次号で。

まあくのカンゲキノートVOL.22(雑誌「舞Land」より)

「モンスターマザー」

このブランド誌にも対談で取り上げていただいたタンゴのショー、「TANGOMODERNA〜Vol.察廚無事終了した。これまでのVOL困泙任鳩萃蠹に違ったのは、1部をお芝居にしたことだ。タンゴクァルテートとVSとなるメインが、今回はスタジオライフという人気劇団の役者さんだったので、ピアソラのタンゴ(不安と焦燥と希望)にあうストーリー性を、演奏と歌と踊りの中に入れた。

今「モンスターペアレンツ」という言葉がある。学校に筋違いなクレームを強引につけたり、家族で海外旅行には行っても、学校の給食費は払わない、というとんでもない恥知らずの怪物的父親母親のことだ。

そういう言葉が前提にあって、このお芝居には一人の「モンスターマザー」を設定した。高卒で東北の田舎育ちの彼女が都会のエリート男性(大学教授)と知り合い、結婚するが、夫はどんどん出世し有名になる。何も学ばない彼女は、夫に対しても世間に対しても大いなるコンプレックスしか持てない。そこで彼女は「00夫人」の座を死守することに全身全霊全力をかける。そして子供の自立に恐怖する。自立されたら子供まで自分を見放してしまうだろう、からだ。そこで二人の娘と息子には父親の名声利用して肩書き(イラストレーターとファッションデザイナー)だけ与え、実質はニート、何の仕事も社会性もない大人に育てる。

小学校のときから、年に3回、彼らは父親の休暇に合わせて母親の指令のもと2週間の海外旅行に行く。仕事など持たないから30歳をとうに過ぎても娘と息子はひたすら、その旅行を両親とともに追行する。普段の休みも母親とともに父親から離れない、「パパをママから離さないこと」が彼らの“仕事”なのだから。

一方で、彼女は夫を脅迫し続ける。「離婚したら大学やマスコミに愛人関係を暴露し、自分は自殺する」と。夫は子供には負い目を感じているから、子供にはすこぶる優しく、仕事以外は何事も優柔不断で面倒臭がりやでもある。すでに有名人の役得も知り尽くしているから、何が何でも離婚しよう、という面倒臭いことはもう絶対しないだろう。

というわけで、最期は過労で夫は入院する。30歳過ぎたニート息子が嬉しそうに姉に言う「これでママも安心だね」

実はこれ、実際のエピソードもあり、の話なのだ。ちなみに、以前のカンゲキノートで、30歳過ぎて「ママ、ママ」連呼してる、あるバカ息子の話しを書いている。37歳で「車でママの送り迎え」しかやることのない娘の話しも友人に聞いた。この人たちの父親を知り、母親を想像して、モンスターマザーが誕生したのだ。

最近の「オノで父親を殺そう」という少年少女の猟奇事件が続いたことも、このストーリーを作るヒントになった。一番の犠牲者は夫ではなく、二人の娘と息子だろう。一番身近なモンスターが、子供たちにオノという残酷な凶器を選ばせているのかもしれない。

ともあれ舞台は、息子役の綺麗な少年ビジュアル系の山本芳樹くんが、タンゴの名曲にあわせ、行き場のない少年の繊細な心を素晴らしい哀切のダンスで魅せてくれ、続く石飛幸冶くんが、モンスターマザーの象徴として、迫力の歌と女装で「ジョソイマリア」を熱唱した。

そして、1部最後は、それでも希望へと繋がるようにと、圧倒的な歌唱力と透明感でもって、姿月あさとさんが「スワロウズ」を歌ってくれた。この姿月さんの歌唱はそれまでのストーリーもあいまって、まさに、圧巻、だった。

2部はひたすら楽しく、アルゼンチンのタンゴダンサー、ファン・ギダペアが加わっての歌とダンス。それに何と曽世海司くんの“お家芸”落語の「たち切り」現代版に「夕暮れのタンゴ」演奏のコラボ、というまさにかつてない試みも好評だった。

これ、DVD発売も決定したので、ご覧になれなかった読者の皆さんも、ぜひ観てみてください。


先日NHKの「英語で喋らナイト」にあの「女性の品格」の著者、坂東真理子さんが出ていた。そこで彼女が思う「品格のある人」とはどういう人かを語っていた。

曰く、「芯に、人の為に何か役に立ちたい、と思う心がある人」みたいなことをおっしゃっていた。確かにこの心があれば、モンスターマザーもモンスターペアレンツも存在しないだろう。
 


まあくのカンゲキノ―トVOL.21

「感動は舞台と客席の間に生まれる」

 先月美輪明宏さんの「音楽会」を二年ぶりに観た。構成・演出・衣装全て美輪さん。美輪さんの「毛皮のマリー」や「双頭の鷲」など、超有名なお芝居もいつも全て美輪さんがやってのけていらっしゃる。近年、美輪さんの舞台は最もチケットの取りにくい舞台のひとつ、にもかかわらず、その全てをラッキーにも拝見させていただいてる。で、音楽会であるが、1ヶ月近い公演にして、ぎっしり満員の会場。若い人も多いがやはり昔から美輪さん一筋の中高年の男性もしっかり、って感じだ。
毎回「美しきもの」を追及する美輪さんのフィロソフィー全開のコンサートで、今回は“愛”というサブタイトルでつづられている。合間に流れるシャンソン「群衆」のメロディーラインも刹那さ盛り上げで、“観音菩薩さま”状態の美輪さんに、思わず手を合せたくなるラストまで、楽しすぎるトークをはさんで、感動の2時間。
この「音楽会」には、ある思い出がある。もう10年以上前の話しだ。その頃、丁度お仕事ご一緒していた新沼謙冶さんをお誘いした。席につくと、まあくの隣に三国連太郎さん。そのつい先日、クラッシックのコンサートでご挨拶していたので、新沼さんをご紹介し、三国さん、まあく、新沼さん、3人並んで美輪さんの歌を聴く、という構図になった。
美輪さんの歌が続き、確か年老いた女優の歌、だったと思う、すすり泣く気配、両隣だ。歌が変わり、今度は両隣ご一緒に号泣。その時初めて男子も泣くのだ、と、ある意味感動した。美輪さんの歌の“凄さ”も思い知ったが、こちらは泣くのを忘れるくらい、三国さんと新沼さんの涙にも感動してしまった。そして、改めて三国連太郎さんという俳優と、新沼謙冶さんという歌手のファンになった。
毎回、コンサートが終わって、美輪さんの楽屋にお邪魔するのは“怖い”ながらも楽しみのひとつ。今回も心配ごと聞いてもらい、美輪さんにお力いただいた。「ここんとこ私の舞台観に来るのをサボってたからよ、またちゃんといらっしゃい」
ありがたいお言葉。確かに、美輪さんパワーは本物だ。まあくも精進しようと、いつも美輪さんとお会いした後は殊勝な気持ちになるが、それが長く続かないことも美輪さんにはお視通し、ってことをこちらもわかってるから、お会いするのがちょっと“怖い”。でも正直いつも大カンゲキしているのだ。
 余談だが、美輪さんのお気に入りの名曲(今回は歌われなかったが)「群衆」は、エディット・ピアフが世界的にヒットさせたシャンソン。実は元歌が「誰も知らない私の悩み」という、タンゴの名曲でもある。まあくは美輪さんの名訳で歌われたのを聴き、大好きになって、そして、タンゴと知った。
この「群衆」を、歌詞を新たに先祖還りさせたのが、まあくの創っているモダンタンゴのショーで歌っている「運命のルーレット」だ。10月20日21日「タンゴモデルナ〜VOL察廚任蓮▲好織献ライフという劇団の山本芳樹くん、石飛幸冶くん、曽世海司くんがこの名曲に挑戦する。こちらもカンゲキ!間違いなしなので、ぜひ皆さんおいでください。
その曽世海司くんの外部出演した「ディレクション」を東京芸術劇場小ホールで観た。共演は川野太郎さんと汐風幸さん、同じライフの甲斐政彦くん、他。
曽世くんは、汐風さん演じるママに、反発しながらも超マザコンのエリート息子を、冷静さと情感で巧みに演じ、甲斐政彦くんも、ライフの舞台では想像できないくらいの弾けようで、しっかりキャラ立ちしていた。汐風さんも、中々の適役感じさせ、思った以上に楽しい佳作に仕上がっていた。
 ストレートプレイは、演出家の思い込みそのまま出るから、キビしいのも多いが、時にこういう楽しい舞台に偶然めぐり会うと、ホッとカンゲキする。
 いよいよ芸術の秋本番、皆さんも何かカンゲキしそうなの見つけたら、ぜひまあくに教えてください。


まあくのカンゲキノート Vol.19

「薔薇咲き案内人」

一昨日(7月29日)の参議院選挙の結果は、まさに先の衆議院のとき、小泉さんが「郵政民営化を問う」にむりくり一本化して圧勝したのと、全く逆の立場で結果は同じ形となった。今回は「とにもかくにも自民党にはNO」である。確かにこれだけ国民馬鹿にされ、好き放題されて、それでも自民党に入れるなど、それ程国民にアホらしい深情けは、ない。投票率は58、64%。前回より選挙区で2、07ポイントのアップは、一見わずかなようだが、その差が自民を追い込んだ票、とも言えるだろう。で、チョイカンゲキ。

が、しかし、この乱暴とも言える大幅なゆり戻し。これって、キケンな人が出てくるときの前兆でもあるって、歴史は語っている。だから、そうならないよう、ここで落ち着いて、きちんと本物に政権獲れるかどうか、せっかくみんなが、2大政党誕生に賭けたのだから、民主党にはマジ、真面目に命かけてやってほしい。護憲など、言い分は共産党や社民のほうが明確に賛同できる部分はあるが、これら党のあまりの人材不足と、とにかく自民に対抗するためにはと、仕方ないか的消極的民主党票が膨れ上がった結果、だと言うこと、民主党は肝に銘じるべきだろう。今後、もっと明確に正解である自民との違い、をきっちりマニフェストに掲げ、実行して行くことだ。それで国民の信頼を深めないと、でないと、次ぎのゆり戻しがもしも起きたとしたら、それこそ“アブない国へと一直線”になる危険性がある。頭の良い小泉的なる者、が出てくるとも限らないのだから。勝っても、期待よりも不安を抱かせるところは、こちらも人材不足の感アリ、なのだろうか。

 先週、八ヶ岳で薔薇園を作っているようこちゃんという友人に招待され、瀟洒なプチホテル風別荘で大カンゲキの3日間を過ごした。煩い東京の暑さが嘘のように涼しい、どころか、朝晩などは、豪快に燃える暖炉にへばりついてて快適なほど、だ。暖炉の火を飽かず眺めながらのようこちゃんとの話しは、時節柄誰か本当に国民が信頼できる代議士のスターは現れないのかしらん、に落ち着く。何とかタイゾウくんの罪は深い、あらゆる意味で、優秀な若い人たちの政治家への夢をずたずたに壊しちゃった。とか何とか振り返ると、そこにようこちゃんのご子息トシくん。お父さん(ようこちゃんのダンナさま)と、経済の不均衡とか何とか海外の統計やら、どえらいしっかりした話をしている。お父さんも一つ一つ丁寧に説明したりして、隣でトシくんと同じアメリカンスクールの友達レイくんがふんふんと聞いている。成る程、アメリカ人の家庭などでは、よくキッチンディスカッションといって、親子で政治の話しを日常でやってる、って聞いたことあった、まさにそういう雰囲気。

そういえば、アーストラリアに留学中のまあくの次女から、先日メールで、ソ連が崩壊した一番の原因は?と聞いてきた。早速ゴルビーの存在とペレストロイカのことを返事に書いたが、次女曰く、こっちの友人やホームステイ先の家族とよく世界情勢の話しするから、また色々教えてね、だって。

うちでも、自衛隊派遣のときなど、憲法やホントの国益とは?などなど、二人の娘に話すこともあったが、ようこちゃんち見ても、成る程“教育”がいかに大事かがよくわかる。今の私たちの年代から下の母親たち、父親たち、かれらが子供たちをどう育てるか。受験頭だけでなく、どう世界を見て、どう日本を見て、どう考える子供たちを育てるか。多分、本物の政治家待望の実現は、政治家2世でも3世でもなく、まっとうに世の中見てる両親の子供たち、その世代に期待できるのかもしれない。

 「私たちは良い薔薇が咲く所に住む。世界中、まさに薔薇が水先案内人をしてくれるの」ようこちゃんの素敵な言葉は、そのまま薔薇が咲き誇ることの出来る「平和な世界」を築く。そういえば随分と前「国境の白い薔薇」というフォークソングがあった。二つの国の二人の兵士が、白い薔薇をはさんでの友情の歌だった。

PS ようこちゃんちの薔薇は「タンゴモデルナ」「ムーングレード」「コーセーアンニュアージュトーク」のステージを見事にいつも飾ってくれてる皆さんも良くご存知の「Asaoka Rose」の薔薇です。


まあくのカンゲキノート vol.17(舞ランド誌より)

「ニートの元凶その1は、子離れしたくない母親?」 

   ノックとともに両開きの扉が開いて、男の子が入ってきた、一瞬、20歳過ぎくらいの男の子、って感じだった。ジャラジャラとなんだかんだぶら下げたダブダブGパン、ダブヨレトレーナーにGジャン。実際はけっこうお高いメーカーのものだけど、よほどのモデル系が着ていないと汚らしく見えてしまうストリート系ファッション。が、母親とそっくりな、その特徴的な二重顎と細い目を見て、すぐに気がついた。確か“この子”30歳を幾つも過ぎてるはずだ、と。
   彼はまあくが居ることにほんのちょっと驚いた様子で、こちらに軽く会釈した。そして社長に「ママ、いないの?」と聞いた。いない、と社長が答えると、「そうか、ママ来てないのか」と不満そうにオフィスを見渡した。かなり広々してるとはいえ、ワンルームマンション事務所の応接コーナー、そこにはまあくと、まあくが持ってきた資料を説明していた、ここの制作オフィス社長と二人だけだということは一見して解る。
   すると彼は「パパ、サイフ忘れたからお金貸して」。社長がお金を渡すと「パパ、ママ何時にこっち来るって?」社長が答える「もうじき来るでしょ、5時とか6時とか言ってたから」
   今度は不安そうにまわりを見て「何だ、ママいないのか・・・」。良かったらトイレでもロッーカーでも、気が済むまで“ママ”を探しなさい。彼は入ってきた扉に向かうと、振り返り、一応まあくを見て「失礼しました」と頭を下げた。そして扉を押して“パパ”に夕食のメニューを告げつつ、出て行った。この間約2分。その間に「ママ」4回。
   その日は土曜日だったので、スタッフが休みなのは知っていたが、とにかく急ぎの資料だけポスティングしておこうとオフィスに寄ったら、社長がいた。きっと、奥さんを待っていたのだろう。社長のスケジュール調整は奥さんがやっているのだし、そこに息子が母親を訪ねて来るのはいいだろう。しかし、まあくごときとは言え、お客さんがいたのだ。聞いてるこちらが恥ずかしい。
   だがそれ以上に呆れたのは、彼の生活感の、全くの、無さ、だ。だからよく見たら30何歳なりに老けてはいるが、一見驚くほど若い、と言うより幼い。ファッションのせいだけじゃない。別に格好はどうでもいい。まあくだって人に言えたもんじゃない、いつも年齢なんか無視した格好をしている。
   実は「生活感がない」というのは、誉め言葉でもある。まあくもよくお世辞のように言われる。だがそれが誉め言葉になるのは、そう見えるだけで、実際はしっかり「自立した生活」をしている裏付けがあるからだ。
   日本の、それこそホントの若い子たちが自立しない、出来ない問題は、“格差社会”がどうのこうのの前に、少なくとも原因のひとつがもっと身近にあるのかもしれない。
   聞いた話だが、いつまでも子離れしたくない母親が溺愛する、“アーティスト”という名のプータローの息子、娘たちがいる。彼らは、母親の号令の元、一年中、いつでも何日でも、親の休みにぴったり合わせて休みを取るらしい。それが“仕事”なのだ。それにしても、である、例え一生親のスネかじれるとしても、自分の人生は何も無いままなのだから、凄い犠牲だ。”ママ”の息子だって、多分自立して欲しくない母親の犠牲なのだろう。それってある意味カンゲキの親孝行モンかも。
   最後はせめて本物のカンゲキで締めたいけど、試写会「女帝〜エンペラー」(公開中)も、例の、ワイヤー、スローモーション、綺麗綺麗に次々次々意味無く殺されてく「HIRO」「LOVERS」パターンで内容はイマイチ。ただ主演チャン・ツィイーの、薔薇のお風呂シーンは息飲む美しさ。マスコミ試写会も一切なく、ナゾだらけでカンヌに見参した松ちゃんの「大日本人」(公開中)。先行公開で、久々入場料払って観たけど、うーん、賞取れなかったのは当然として、これがカンヌに出品出来たこと自体がナゾ。それもカンヌだから、かも。深夜にCSでたまたま観た「テーラード・オブ・パナマ」凄い凄い面白い。まさにパナマを裁断しちゃう寸前まで行く役回りの主演二人に、ピアース・ブロスナンと、ジェフリー・ラッシュ。奥さん役にジェイミー・リー・カーティス。二人の駆け引き、三人の危ない関係、南米の胡散臭い活力。最後はかなりご都合主義だけど、レンタル迷ったらぜひ。その映画の中で、ブロスナンが問う、「楽しい家族を崩壊させる方法は?」ラッシュが黙ってるとブロスナンが答える「真実を語ること」 。


まあくのカンゲキノート VOL.16

「そして突然夏が来た」       

 やっと連休に入ると春らしくなった、と思ったら今日(4月30日)東京は夏日だ。こういう不安定で、穏やかにではなく、ドカンドカンと季節が日、一日で変化するのってやっぱ要注意。若い人たちが叶えなければならない夢は、オリンピックじゃなく、CO2ゼロの地球だろう。寒い桜と無残な東京都知事選の結果、で終わった4月だった。

 で、4月のカンゲキ振り返ると、まずうちで制作している「コーセーアンニュアージュトーク」第184回を、初めて沖縄の那覇で開催した。いつもは恵比寿のガーデンプレイスで隔月でやってる人気のトークショーだ。ゲストは河村隆一さんと沖縄出身のいっこく堂さん。お二人とも以前から親しくさせていただいてるので、所変われど和気藹々の楽しいトークとなった。沖縄の皆さんの熱心なリアクションにもカンゲキ。

沖縄はいつ行っても伸び伸び出来る、まあくの大好きな場所。その自然は日本の宝だ。だからこそ、もっともっと全国的に沖縄の諸問題に関心もって、内情理解して、そうして沖縄で遊んだらいい。沖縄の自然と遊ぶことで、きっとその大切さも体感できるはずだ。本番おわって、読谷村のリゾートで2泊のんびりし、レンタカーで本部の「ちゅら水族館」にも足を伸ばした。「世界一の水族館」とうたうだけあって、そのスケールは圧巻。堂々マンタが何匹も行きかい、その上を巨大ジンベイ鮫がゆうゆう泳ぐ様は、いつまで見ていても飽きない。ただ、その水族館のある海洋博記念公園とかって、どうなんだろう。海洋博やっちゃったから、こういうのが出来ちゃったんだろうけど、人口のエメラルドビーチとかみても、何か虚しくなるのは、まあくだけだろうか。長い目で見て、この施設が出来て、地元の人々は本当に良しとしているのだろうか。何か幕張メッセとかお台場とか思い出してしまって、水族館出たら、さっさと空港へと引き返した。

途中の名護で、山道迷いながらも見つけた沖縄そば屋「大家」(うふや)には、カンゲキ。ン十年の歴史あり、のそのたたずまいは一見の価値ありの山荘風、山ん中のオアシス。味もグッド。お土産に売ってる、ちぎりカステラと、ゴーヤキムチもおすすめです。

 東京戻って、そのあまり行きたくないお台場にある、仮設美術館「ノマディック美術館」へ。映像アーティスト、グレゴリー・コルベールが「ashes and snow」と題して、写真、映画、美術、小説、建築が一体となったプロジェクトで発信する感性世界。CGなど一切なしの、驚きの世界が拡がる。感動、までは行かないけど、皮膚的不思議感覚と、コルベールの作品への取り組み姿勢にカンゲキ。彼が象や鯨やジュゴンと一緒に泳ぐ(潜る)シーンは、ちょっと、かってない感覚に囚われる。(6月24日まで)

 素直に感動した美術展は、Bunkamuraザ・ミュージアムの「モディリアーニと妻ジャンヌの物語展」。これまでも、モディリアーニのビジュアルと不遇な生き方に惹かれていたから、作品が日本に来るたびに見ていた。かの世紀のハンサム・J・フィリップがモディリアーニ演じた映画「モンパルナスの灯」も何回も見た。しかしジャンヌが、こんなに素晴らしい作品を沢山残してたなんて、それは凄い感動と驚きだった。それも18歳から22歳という短い間に、だ。36歳で逝ったモディリアーニを、22歳の若さで子供残して後追い自殺したジャンヌ。彼女の作品に負けないくらいに胸に迫るのは、16歳のジャンヌの写真だ。怖いほど美人で大人びて、こちら(キャメラ)を上目使いでじっと視つめるジャンヌは、何か鬼気迫るほどである。二人の愛と芸術の日々は、哀しいほど愛おしい。ただ最後にジャンヌの遺髪まで展示してあったが、あれって必要なのだろうか?(6月3日まで)

 上野文化会館で、スロヴェニア国立マリボール歌劇場、オペラ「ラクメ」全3幕。インドの巫女ラクメと英国の海軍士官の、異教徒ゆえの悲恋物語である。この演目日本でやるのは、80余年ぶりというから、ほとんど日本初お目見えみたいなもの。これひとえにタイトルロールのソプラノに、超絶技巧コロラトゥーラを求められる故。今回デジレ・ランカトーレを得て実現、という鳴り物入りだからして心して観た(聴いた)が、確かにさすが“旬”のコロラトゥーラ、と絶賛されるランカトーレ。素晴らしい。有名な2幕のアリア「鐘の歌」は、息をするのを忘れるほどの美しさと超テクでカンゲキ。ただこちらも有名な1幕のメゾとの二重奏、イマイチ二人の息があってなかったのが、唯一の残念。


まあくのカンゲキノート VOL.15

「日本演劇界の“黄色いドレスの女”は何処?」

 暖冬、異常気象で、桜開花予想も乱れがちだったが、昨日(3月20日)靖国のソメイヨシノが6輪開いたとかで、東京の開花宣言となった。

 そんなこんなの3月に入って、観劇したのは、まず‘98年の初来日公演を新宿厚生年金会館という、イマイチ雰囲気じゃない会場で観た「CHICAGO」。その造りの巧さとホッシーイズム振り付けにカンゲキしたのを憶えている。今回は日生劇場、4日の最終日目前に観劇した。9年前と演出の変化はほとんどないが、ロングラン舞台はキャストが勝負、今回はビリー役にあのバックストリートボーイズのメンバーだったケヴィン・リチァードソンが扮した。イケ面グループの中でもひときわ、のケヴィン、ビジュアルは敵役だが、やり手弁護士にしては、押し出し弱くちょい貫禄不足。

 ちなみに5年前の映画版では、この役リチァード・ギアが演って好評だった。そう、この映画版が最高の出来だった。監督は、まあく的にはアカデミー賞作品賞あげたかった上映中の「ドリームガールス」も撮ったビル・コンドン。観客の心きゅきゅと摑む小気味よくキレのいい映像、ヴェルマとロキシーという主役二人を演じた、ゼダ・ジョーンズとゼルウィガーも当時アカデミー賞ノミネート(獲ったっけ?)の熱演、好演。この余りにカッコ良く出来すぎた「CHICAGO」のイメージあるからか、今回の舞台がもったり見える。ほんとなら“生”でこその魅力と迫力が映像超える感動になるはずなのだが、肝心の主役二人の魅力も、映画版のほうがずっと強い。余談だが、最初コンドン監督はギアでなく、J・トラボルタにビリー役をオファーしたそうだが、トラボルタがNGで、ギアになったとか。

 で、ミュージカル続いて劇団四季の「CONTACT」。こちらもロングラン、トニー賞始め数々の賞に輝いた名作だ。四季で上演されてからも何年も経つので、本当に遅ればせながらの観劇である。本家ブロードウェイで観てる友人が、“黄色いドレスの女”に瞬間恋した、と話していた。彼女が登場してる間、目が釘付けになったとか。この舞台はオム二バスで3幕ある。1つ目は中世、2つ目は50年代、3つ目は現代、という時代設定で、それぞれ1組の男女のコンタクト(コミニュケーション)を描いて秀逸な作品である。その3つ目のストーリーに登場するのが“黄色いドレスの女”、彼女は、夢の女。摑もうとしたら離れてしまう、ファムファタール、のイメージで登場する。出番自体は多くはないが、一瞬で、そこに登場しただけで、回りの皆を虜にする魅力を持つ設定だ。「CONTACT」全体のイメージの主役ともいえる。観客もまさにブロードウエイで観た友人状態になってこそ、初めて成立する役柄、とも言えるだろう。

 いい意味でブロードウェイ完璧模倣の劇団四季。いや、フォーメイションなどは、本家より手足、足並み揃っていたりして、感心したこともあった。であるからして、期待して観たのだが、しかしながら、残念ながら“黄色い〜”は、全然、“黄色い〜”じゃない。踊りはとてもお上手、だけど・・・なのだ。やっぱこうゆうの、日本版て難しい。「ライオンキング」なら、マル、なのだけど。

 変わり種コンサートは「サクソフォンの須川展也さんと、ギター・デュオのカトナ・ツインズ」(浜離宮朝日ホール)。ヘンデル、ロッシーニ、ファリャ、ピアソラ、と多彩な演目。カトナ・ツインズとは、ハンガリー出身のイケ面双子、譜面のめくりなど“まなかな状態”。テク凄いけど、ムリクリの挑戦も含めて、押し付けすぎないのがいい。

 須川さんはサクソフォンの雄だけど、こちらも人柄が演奏に出てて、バリトンもソプラノサックスも、やんわりきれい。上質な、うっとり眠りたいステキコンサートでした。

 ダンスは「アントニオ・ガデス舞踏団」のフラメンコ(オーチャードホール)。「血の婚礼」と「フラメンコ組曲」を観た。‘04年に亡くなった、フラメンコの世界的巨匠ガデスの精神、振り付け演出、全てを伝えようと試みている、けなげさがあふれる舞台。アドリアン・ガリアはガデス乗り映ってたよう。ただオーチャードは広すぎ。

 映画「善き人のためのソナタ」。先月アカデミー賞外国語作品賞獲る前日渋谷のシネマライズで観た。もしまだ上映してたら、絶対絶対観て下さい。素晴らしく素晴らしい映画です。

 恒例試写会報告は「ブラッド・ダイアモンド」(GW公開)。主演のレオナルド・ディカプリオ、これでアカデミー賞主演男優賞獲ってもよかったかも。「ディパーテッド」より全然いい。


まあくのカンゲキノート VOL.14(舞ランド誌連載より)

「愛華」と「愛浜」

応接室で一人お茶を飲んでいたら、そこにパンダが来た。

生後6ヶ月の仔パンダ。そしてパンダちゃんは隣のソファーに。ヒャー!こんな大カンゲキあり〜!?             

先月、初めて中国に行った。目的は唯一つ、パンダと触れ合うこと。

出発は、一緒に行く関西に居る娘に合わせ、成田ではなく関西空港である。羽田から関空、関空から上海。ここまでで5時間。国内線乗り換えて成都まで3時間、そして成都から車で無整備山道約5時間。乗り継ぎ時間いれるとほぼ15時間かけて、とうとう来た、四川省は深い山ん中、パンダの総本山、「臥龍パンダ研究所」である。

娘が見つけてきた“JALパンパカパンダツアー”のパンフには、仔パンダ抱っこしているツアー参加者の写真が大きく載っている。よく見ると、(触れ合いタイム5分間)と小さく書いてある。その“5分間”の為に、15時間の荒行程何のその、である。

そこでは、野生のパンダを保護したり、また自然に帰したり、交配させたりと、少なくなる一方のパンダを守り育てている。何てったってパンダは中国の至宝、世界中のパンダは、この臥龍の研究所と、成都の「成都パンダ繁殖センター」の“出身”である。

実は前日繁殖センターにも行って、お里帰りした「アドベンチャーワールド白浜」(AWS)生まれのパンダ“雄浜”(ユウヒン)にも久しぶりに対面することが出来て、すでに娘共々カンゲキしていたのだ。

山裾に広がるパンダの厩舎はどれも自然に伸び伸び広々。

青々と繁る草木、竹藪の中に本当に沢山のパンダが、そこここにいる。

そして、私と娘、同じツアーの20代女性(看護士さんですって)2人が連れられて行ったのは、7頭の仔パンダのお庭。といっても仔をつけるのが?なくらい、でかい。

もう1歳半くらいとかって、マジかなり大きいパンダたちである。

これからお昼ご飯を食べさせるから、待て、と、中国人コーディネーターのお兄さんKさん。

並んでパンダミルクとパンダケーキを食べるパンダたち。そこへ、わたしたちに、どうぞ入って下さい、って。

わけわからん状態で、それでも撫でたりハグしたり写真撮ったり、と7頭のお腹いっぱい。で満足状態の仔(?)パンダちゃんと触れ合って、約5分。ツアーの目的は無事達成しました表情のKさんと飼育係の皆さん、だった。

その後、娘と2人のお嬢さんたちは、引き続きパンダウォッチングへ。わたしだけは寒さに負けて、Kさんと研究所のスタッフがいる応接室で休憩していた。そしてそこで聞いたのが、パンダの里親制度の話だった。

1年分のパンダのご飯代寄付すると、名付け親にもなれる。去年生まれた十何頭のうちまだ10頭以上里親が決まってなくて、名前も付いていない、ということだった。ぜひ里親になりたい、と言うと、Kさんとスタッフは早速デスクのほうへ行き、パソコンでなにやら始めだした。所在なく一人でお茶を飲んでると、そこに何と仔パンダが来た。スタッフに抱えられて、ぬいぐるみそのまま、いやその何百倍もの愛らしさ!

その夜ホテルで娘と幾つもの名前を考えたソファーで抱っこした生後6ヶ月のパンダちゃんの名前だ。

そして決めたのが、女の子なので、娘の名から“愛”をとり、中国の“華”をとって、「愛華」(アイフォア)日中友好の気持ちも込めた。

そして先週、1通の手紙が「アドベンチャーワールド白浜」から届いた。一般公募していた双子の赤ちゃんパンダの名前が決まった。男の子は「明浜」(メイヒン)、そして女の子ののほうはわたしが考えて応募していた「愛浜」(アイヒン)に決定。「愛浜」と付けた多数
の中の抽選で当選し、生後2ヶ月余りの双子赤ちゃんパンダと対面できる!というのだ。

というわけで、明日は南紀白浜へ飛ぶ。目的は唯一つ、パンダの赤ちゃん。今度は羽田から1時間、全然ラクラクの旅である。

ちなみに「AWS」には現在パンダは8頭。

これってかなりカンゲキの頭数なのだ。

{追伸=「臥龍パンダクラブ」でHP検索してみて下さい}


まあくのカンゲキノート VOL.13(舞ランド誌連載より)

「白馬から“朧の鬼”へ」

  1月の下旬、白馬に初めて行った。これまで色んなとこでスキーしたけど、さすが冬季オリンピックの会場、広いし、雪良いし、日本じゃないみたいな、雄大眺め最高の迫力コースいっぱいあるし、で、何てってもご飯関係がエラい。大体スキー場のレストランなんて、冷凍チャーハン炒めて1000円とか、不味くて高いが定番。こちらももう期待もしないし、って感じだったが、白馬八方スキー場は違うぞ。
  兎平リフトのまだ上のリフトが着くところにある、バージンカフェ、その奥に、きっちりイタリアンのフルコース食べられるレストラン「ピラール」あり。それも有名シェフが腕をふるう本気の美味しさ。感動。こーんな山の頂上に、リフト何本も乗り継いでしか来れないところに。ワインもけっこう揃ってて、サービスもきっちり。カンゲキ。これ絶対青山、六本木でも流行るよ、なのに、壁一面の窓からは、丁度リフトがスキーヤー乗っけて上って来る後ろにバーンと広がる壮大なパノラマ。見ながら飲むワインの美味しいこと。もちランチのみの営業、贅沢ったらこんな贅沢ない。白馬に行ったら絶対予約してお相手連れてってあげよう。そのシチュエーシュンと美味しさに絶対カンゲキ!間違いなし。

  他にも、カツ丼とブルーベリージャムかけソフトが美味しかった「リーゼン小屋」。ここのスタッフは、ホントカンゲキの見てて気持ちいいくらいの働き者。名木山パンが有名な「名木山ロッヂ」もおすすめ。確かにこのパン、ふこふこ美味しい。バターと、全然甘くなくてまあく好みの自家製りんごジャムがたっぷりついてくる“名木山パンセット”でカンゲキ。
  ゲレンデおりたら、コンビ二「セントキャビンズ」へ。親切でハンサムなおにいさんつばさくんもいるし、面白チープお土産もいっぱい。クレープ屋台「ももちゃん」のおにいさんはちょっと「平川地一丁目」の直次郎くんに似てる。直次郎くんと同じく無口。クレープ真面目に焼いてていいけど。
 今年の異常気象温暖化で白馬も雪少ないって、地元の人皆嘆いていた。前回もここで紹介した映画「不都合な真実」に描かれてたとおり、何十年か後に、「あの頃「雪」が積もって「スキー」をしてた時代があったんだ」とおじいちゃんが懐かしく語る、何てことにならないこと祈ろう。おっと、もうエアコン、消しとこ、と。
 で、東京に戻っての観劇は新橋演舞場「朧の森に棲む鬼」。劇団新感線が市川染五郎さんを得て大成功続けている、現代風歌舞伎エンターテインメントなシリーズ。とにかく染五郎さんが凄い良い。彼は本家歌舞伎の舞台より、これまでもケレンみテンコ盛りの、いのうえひでのり(演出)版のほうが、より自由により大きく伸び伸びと、凄い。そして魅力的手い。高麗屋の輝きさえいよいよ増す。
去年パルコ劇場で三谷幸喜さん(脚本・演出)のパルコ歌舞伎「決闘!高田の馬場」観た時も、改めて主演の染五郎さんの資質に仰天した。外部出演がより魅力的って、やっぱりお父さんゆずりだ。「決闘!−」は最近DVDも出たらしい。ほんとカンゲキの面白さです。
 最後は試写会報告。今最もアカデミー賞に近い作品、の呼び声高い「BABEL」は、確かにすこぶる上手く出来た映画。同作品に出てる日本人女優菊地凛子さんも助演女優賞候補となって、何十年ぶりの日本人女優のオスカーか?、とマスコミは盛り上がっている。多分取るのは、同じく助演賞候補の「ドリームガールズ」(2月17日公開)ジェニファー・ハドソンだろう。菊地さんの熱演もジェニファー・ハドソンの圧倒的な演技には、残念ながらちっと敵わないかな、って感じ。でも「BABEL」はおすすめです。菊地さんをオーディションで選んだアレハンドロ監督もエラい。日本の監督って、沢尻エリカさんとかみたいな女子ばかり選ぶのが落ち。菊地さんの役も広末涼子さん的な女優さんがやったら、多分全然嘘臭い。でも絶対日本の監督なら、そうだもんね。
(4月GW公開)
 日本の監督といえば、最近元気な邦画も1本、「檸檬のころ」。映画初出演の“ももちゃんのおにいさん似”の林直次郎くんが、ほんとカンゲキ最高。この監督は彼をこの役に選んだことだけが、エラい。(3月下旬公開)
 「ロッキー・ザ・ファイナル」。これ意外といい。最後のvol5から16年、こちら(観客)の年月とも重なる。今やイタリアンレストランオーナーで、昔の試合をお客に語る日々のロッキー。懐かしシーンのフラッシュバックも、臭いと思いつつ、嬉しく、ジーンとくる。相変わらずのお決まりの展開で、いい意味“赤穂浪士”的に観て、全然OKだと思う。

スタローン、やっぱ歳とったけど、それなりの哀愁、これまた意外にあるかも。(4月公開)


まあくのカンゲキノートVOL.12(舞ランド誌連載より)

「美術館の一分、はないのか?」

 12月24日、日曜日のクリスマスイブ。
「大エルミタージュ美術館展」が今日で終わ
りと思い出し、急遽上野の東京美術館に滑り
込み。ヤな予感通り、チケットもぎるのに
10分待たされ、のっけから、宗教画の段階
から、絵の前の人だかりは動かない。人の頭
越しにしか作品みることが出来ないのだ。こ
の状態、最終日だから、と言うわけではない。
とにかく大きな美術館展、何だか皆さん好き
なのだ。例えば「ルーブル美術館展」とか超
有名どころの画家名前冠展、とか。曜日と時
間選ばないと、けっこうこういう目に合う。
普段、街のギャラリーにどんなに素敵な絵が
かかってたって、素通りして行くのに、こう
いう“イベント”になるとやってくる絵画
ファンが溢れている。こんなあさましい絵の
見方するのはヤダから出直したいのやまやま
だが、ひたすら隙間鑑賞で我慢。モネ、ルノ
ワール、ユトリロ、などは、もうとにかく皆
動かない。今回のフライヤーのアイキャッチ
にもなってるゴーギャンの「果物を持つ女」
など、人だかり一塊ごと動かない。
 一瞬フェルメールかと驚いた、ピーテル・
ヤンセンス・エリンハという画家の「オラン
ダの室内」なんて凄い興味深い絵があった。
あまり人だかりもなかったのでじっくり鑑賞
できたが、あとはもう実際にエルミタージュ
美術館に行きますから、って感じ。
 サンクトペテルブルクまで行かなくても、
何百分の一の作品点数にせよ、その凄いコレ
クションの片鱗日本で見られるのはカンゲキ
だけど、こんな風に絵を見るのは、やっぱ違
う。と思う。
 帰り、西洋美術館のあの前庭に、ブルーの
イルミネイション。ロダンの「カレーの市民」
や「考える人」が六本木のオブジェみたくなっ
てて一瞬たじろいだが、しばし呆然とみてて、
これもアリかな、とある意味カンゲキ。カレー
の市民の、“行き先”は変わるけど。
 先月目黒の東京都庭園美術館でみた「アー
ル・デコ・ジュエリー宝飾デザインの鬼才シャ
ルル・ジャコーと輝ける時代」内容云々より
この美術館とアールデコという相性がぴった
し。建物自体が元々は宮家の邸宅、こじんま
りしてて、その名のとおり建物取り囲む庭園
が気持ちいい。まあくの自宅近所でもあり、
展示が目当てでなくても、ふらりと行っては
その環境にカンゲキ。いつも程よい人出だし。
ちなみに「アールデコ〜」は新年1月14日
まで。美術館前のカフェレストランは最近和
風になって、ランチが人気。
 美術館最後は六本木ヒルズ53階森美術館
の「ビル・ヴィオラ;はつゆめ」キャッチコ
ピーは{現代ヴィデオアートの第一人者、
「ゆめ」の全貌}確かに面白いゆめのような
ヴィデオ作品の数々だった。、中でも秀逸は、
全く疑う余地ない絵画の人物が、実は実写で
あり、微妙に動く、という作品。これはずうー
と長いこと見てても飽きない、というより、
どんどん引き込まれていく。去年スペインの
バルセロナ現代美術館(MACBAマクバ)に行っ
た時、この手のアーティストの作品ほんとに
いっぱい見て、現代アートも面白いんだと気
付いた。でもビル・ヴィオラって知らなかっ
たから、カンゲキ。1月8日まで。
 大好評だったまあくプロディースの「MOON
GLADE〜VOL1」にゲスト出演してくれて、圧倒
的な存在感で魅せてくれた姿月あさとさんの
おしゃれなライブ「Night and Day」。会場は
雰囲気最高の銀座のレストラン。歌の上手さ
はもちろん、華やか、ゴージャス、おしゃべ
りはお笑い顔負けの面白さ、そして、カッコ
いい。身近に見る贅沢なステージで改めてこ
の人の魅力を思い知る。「MOON〜」公演でま
あくが詞を書いて姿月さんに歌ってもらった
「Dear My Friend〜友へ」を、ここでも歌っ
て下さったのだが、驚いたことに、その時お
客様たちが泣いていた。まあくもその姿見て
逆感動してしまったが、多分、まあくの詞云々
ではなく、姿月さんの歌唱の素晴らしさに皆
さん涙なさったのだろう。他にも「リベルタ
ンゴ」に詞をつけて歌ったり、と姿月さんの
歌に対する想いがこもったカンゲキひととき
だった。読者の皆さんも、今後はまめに姿月
さん情報チェックしてみて下さい。
 翌週12月14日には、同じ「MOON〜」で
スーパーバイザーとしてお世話になった小島
章司先生のフラメンコ公演「FEDERICO」に。
フェデリコ・ガルシア・ロルカの没後70周
年記念のステージである。先生のフラメンコ
は、とにかく凄い。鬼気迫るもの、宇宙的な
愛情、慟哭、歓喜、全て先生の踊りの中にあ
るのが見える。凄い人に色々無理言ってたん
だなあ、とカンゲキの後に反省。
 最後は、やっぱり映画でしょう。12月も
観ました、色々。名作「インファナル・アフェ
ア」のハリウッドリメイク「THE DEPARTED」
J・ニコルソンさすがだけど、やっぱ「イン
ファナル〜」は超えられなかった、別物かも
(1月20日公開)。中国、香港台湾、韓国、
アジア俳優結集しての映画は「墨攻」。主演
のアンディ・ラウ、超いい、凄い凄い良い
(新春第2弾の公開)。面白くて怖いドキュ
メンタリー映画「不都合な真実」皆都合のい
い嘘を信じたいだろうけど、これは観たほう
が絶対いい(1月20日公開)。そして、こ
れまあく的にはかなり好き、ペンギンミュー
ジカル「ハッピーフィート」ペンギンのタッ
プはかわいカッコイー。シーンひとつひとつ
にわくわくする。でも最後は深くて深くて、
悩むほど怖い(3月公開)。博物館の展示も
の全てが動き出すという、子供心には堪えら
れない「ナイトミュージアム」、でも期待し
たほどよりはイマイチ。ホント設定は最高で
す。それはそうと「カジノロワイヤル」そん
なにそんなに、いい?今記憶に残るのはJ・
ボンドのスバラシ過ぎるカラダだけですが。


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