まあくのカンゲキノートVOL.11(舞ランド誌連載より)

「それでも運命は扉を叩く」

 うちの企画制作の「Moonglade〜DDのアンダルシア」8回公演も
無事終わり、気持ちいい秋日和の中、羽田から1時間でひとっとび南紀白浜へ。
行き先は、白浜空港からタクシーで5〜6分にある動物テーマパーク「アドベ
ンチャーワールド白浜」(AWS)。
パンダファミリーが6頭も何気にうろうろいる。一番下の幸浜(白浜生まれは
みんな名前に浜がついてる)なんて1歳と少しでまだ子供パンダ、超どアップ
で見られる環境での成長ぶりといい、毎回見飽きない。
 エンペラーにキング、ヒゲ、ジェンツー、イワトビ、各種類ざっと100羽
以上いるかと思われるペンギン王国もお気に入り。この何年かは仕事の区切り
毎、1〜2ヶ月に1回の割合で訪れて、まあく的にすこぶる癒されている。
 今回新たにカンゲキしたのは、半年程前から大勢のペンギンと同居している
2頭のイロワケイルカ。白黒の模様でパンダイルカとも呼ばれている小ぶりの
丸まっちいイルカだ。ペンギン王国の下の階からは水槽の中が見えるのだが、
イルカと何羽ものペンギンが一緒に泳いでいた。少し前にはペンギンは水の中
に入っていかなかったのに。おまけにイルカは水面に上がるたび豪快なジャン
プを繰り返し、そのまわりで大小のペンギンたちが水の中に飛び込んだり、岸
に飛び登ったり、うらうらしている。芸としてやらせているわけではないだろ
う、自然にそうなったって感じ。そこにスタップの姿はない。
 まあくが訪れる曜日と時間柄、他に誰も見物客が居ない時が多々ある。その
時も一人で、沢山のペンギンとイロワケイルカの遊んでる様子をいつまでも見
ていた。これってへんな人?それとも贅沢な時間を過ごしている人?どっちに
しろ精神衛生上すこぶる宜しい。ってわけで、温泉もあるし、AWSは読者のお
忙しい皆様にもすすめの癒しカンゲキテーマパークです。(暮れも元気に開園し
てますョ)
 東京に戻り、11月に入って早々入院騒動(整形外科で右足謎の痛み治療)
もあったが、そんな中でもしっかり観劇していた。ハンガリー国立歌劇場の「ト
スカ」(東京文化会館)。タイトルロールはジェーン・イーグレン。久々にびっく
りふくよか過ぎるソプラノを“見た”。だってここ何年もゲオルギュウやボンフ
ァデッリなどなど、声も美貌も、のソプラノさんは常識。あのキャバリエをも
凌ぐ巨体は、お相手のマリオ役テノールがこちらまた際立つ小柄さなので、一
幕の二重奏「二人の愛の家へ」でそのあまりのビジュアルに愕然。イマイチ悲
劇に入り込めない。有名な名アリア「歌に生き愛に生き」も「星は光りぬ」も
さすがの歌唱だが、主役お二人どちらにもお気の毒な配役かも。今後「椿姫」
ヴァイオレッタのキャスティングだけはないことを祈ろう。
 ドイツのオーケストラがベートーヴェンやる、それも「第五」と聞いてサン
トリーホールへ。デュッセンドルフ交響楽団って初めて聞く名前。ベートーヴ
ェンとチャイコフスキーってたまにすごーい聴きたくなる。で、この超有名な
交響曲は「運命」というニックネームでクラッシックの代表曲みたいにもなっ
ているが、現在欧米のプログラムや輸入盤などにこの「運命」という名はほぼ
記載されていないらしい。「運命はこのようにして扉を叩く」とベートーヴェンが
語った、と弟子のシンドラーが証言したとの逸話が由来だが、シンドラーは些
か怪しげしげな人物だったらしく、その信憑性が疑問視されるようになったからだ。
へぇー、じゃあ今後日本の刷り物からもその名は消えていくのかしらん。
 「第五」の前には序曲「コリオラン」とヴァイオリン協奏曲、最後はおまけ
に序曲「エグモント」と、ベートーヴェン“傑作の森”の中核を成す作品ばか
りの直球ド真ん中勝負プログラムは、いい意味であまりドイツ的でない演奏と、
ヴァイオリンのソリスト、イケ面24歳エリック・シューマンの出来栄えも含
めてカンゲキ。
 オーチャードホール話題のフランスバロックオペラ「レ・パラダン」。オペラ
というよりダンスと映像のコラボ、古典を斬新に演出、などなど、資料的に
は楽しみにしてたが、高名な舞踏評論家が新聞紙上で褒めちぎっていたの読ん
で、やや腰が引いた。迷いながらも行ってみて、やっぱりこういう人が激賛す
る舞台は気をつけようと、改めて思う。
 試写会は「硫黄島からの手紙」(12月9日より公開)。この映画は色んな意味
で凄く凄く素晴らしい映画です。監督C・イーストウッド。主演は渡辺謙さん
だけど、もう一人の主役、ジャニーズ“嵐”の二宮和也くんがいい。現在公開
中の「父親たちの星条旗」に続く硫黄島二部作。二本とも絶対観て損のない映
画、ここで多くを語りたくない程今一番のカンゲキおすすめ二作品です。


まあくのカンゲキノートVOL.10(舞ランド誌連載より)

自分ちのことだけでなく、他ではどんな素敵なエンターテインメントを
やってるか、まあくが”観劇”して”感激”した色んなステージ、映画な
どなどの感想を「カンゲキノート」として書きます。
 皆様のご観劇の参考にして下さい。これって、ダンス月刊誌「舞ランド」
に掲載しているものです。
 だから期限もページもきまっていますが、こちらにはより新鮮情報など
加筆も可能、ということで、ブログ版「まあくのカンゲキノート」のほうが、
おススメかも。
 舞ランド編集長ごめんなさい!

〜白鳥とマシュー・ボーン〜
 
 暑い暑いと言っても仕方のないことだけど、暑い。で、先日涼しげな観劇を続け
てした。
 まずは、渋谷オーチャードホールで観た上海雑技団の「アクロバティック白鳥の
湖」。本当にゾーと鳥肌たつくらいの凄い凄いのステージだった。
 雑技団の中でも最高の軽技的技術を持ち、なおかつかなりのバレエの技能を身に
つけた主役の二人が、一歩間違うとたんなる“見世物”になってしまうところを、
見事に芸術として魅せたのだ。その鍛錬と企画に拍手、拍手。
 軽々とありえない動きでボールを操るジャグラー。妖精役の、人間とは思えないほ
 とんど蛇のようなダンス、ワイヤーアクション、空中ブランコと、サービス精神
もてんこ盛り。白鳥たちのコールドバレエは、ローラーシューズを履いて滑らかな
白鳥の動きを表現した。
 そして圧巻はもちろん主役の二人、なんと白鳥オデッサはトウシューズで、王子
ジークフリードの肩の上で、超ウルトラ難易度のポーズを次々とおとりになる。ば
かりか、王子の頭の上で何回転もなさるのである。
 観客全員が息を呑み、ざわめきすら起こった。そのあと皆の感動が漣のように劇
場全体を包むのを体感した。これは久々のカンゲキ体験である。どんなキケンな技
であろうと、二人の動き、その全てが美しいからだ。チャイコフスキーの音楽、こ
れも大きなポイントだろう。あくまでもバレエ「白鳥の湖」として創ったことがこ
の公演の勝利だ。
 評判が評判を呼び、追加公演含めてソールドアウトという人気であった。来年も
再演するそうだから、今回見逃した方はぜひどうぞ。ただ地元上海では、その白鳥
の肩だの頭上だのに、もう一人、人間が乗るのだそうだ。これは上海以外ヨーロッ
パ公演でもやっていない、とか。さすが中国、恐るべし。けど正直二人で十分、と
いう感じもする。そこまで行くとチャイコフスキーもトンじゃって、何かちょっと
微妙かも。
 続いての白鳥は、笑いすぎてすっきり爽快になる白鳥、三遊亭白鳥さん。立川志
らくさんとの二人会は池袋芸術劇場中ホールで。型破りの「冨久」、もうとんでも
ない設定展開なのだけど、大筋は、まさしく古典通りになるのが凄い。こちらの白
鳥さんも恐るべし、である。トリの志らくさんのほうが煽られた恰好だった。生の
白鳥さん聞いたの初めてだけど、大ファンになってしまってのカンゲキでした。
 “ホンモノの雪”が降る、と聞くだけで涼しげなマシュー・ボーンの「シザーハ
ンズ」。あのティム・バートンの名作映画をダンスステージにリメイク。これまで
も換骨奪胎がお得意のマシュー・ボーン、男性版「白鳥の湖」や大人版「くるみ割
り人形」、リアル版「愛と幻想のシルフィード」などなど、ご存知クラッシックバ
レエを大胆にマシュー版ダンスエンターテインメントに改訂してきた。
 もう大期待しての観劇だったが、今回は意外や映画をほとんど忠実に舞台にのせ
た、って感じ。氷像を、自分の手(鋏)でどんどん削っていくシーンや、評判の、
雪が降るシーンも美しくはあるが、生の舞台での感動、カタルシスまでは、もうひ
とつ。やっぱり天才ティム・バートンの映画が完璧すぎるのか、鬼才マシューファ
ンまあくの、期待しすぎのせいか。でもマシューのあのデフォルメの仕方は、やは
りうまい。9月3日まで五反田簡易保険ホールにて。


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